イースト菌発酵方式による炭酸ガス発生装置の作り方
CO2bottl.jpg
 砂糖をイースト菌で発酵させて炭酸ガスを得る方法です。
60cm水槽でしたらこのレシピによるもので1本当たり約2〜3週間使えます。

 まず砂糖はブドウ糖と果糖に分解されます。
次に以下のように分解されます。
(ブドウ糖)→(エタノール)+(二酸化炭素)
 C6H12O6 →2C2H5OH+2CO2
(180g)   (92g)  (88g)
炭酸ガスの発生量はブドウ糖の重量の約1/2です。
手間を省くために1度に2〜3本砂糖ゼラチンを作ることをお勧めします。

 材料
  ・白砂糖70〜80g/本
  ・水100〜120cc
  ・ゼラチン5g
  ・ドライイースト、ティスプーン1/2くらい
  ・500ccの炭酸飲料のペットボトル
  ・チューブジョイント
  ・エアチューブ
  ・CO2ストーンなどの拡散器

(左)セットして翌日の炭酸ガスの発酵装置
さかんに発酵している
 作り方
鍋に水をいれ火にかけ砂糖を加えて手早く溶かします。
次にゼラチンを入れて溶かします。
ゼラチンは砂糖水がぬるいほうが溶け易いです。
あら熱をとってからペットボトルに移して水で冷やします。
ゼラチンが固まったら、口の下5cmくらいまで水を足しイースト菌を振り入れます。

冬場の対策
冬場は気温が下がりイースト菌の発酵が悪くなり、またゼラチンの溶け具合も悪くなります。
20度以下に室温が下がるといつまでもボトルのなかにゼラチンの固まりが残ります。

そこで冬場はゼラチンなしにして、水槽のガラス蓋の上に発酵ボトルを置いています。
さらに発酵が悪い場合は蛍光灯の上に載せる方法もあります。
(ただし倒した場合に醗酵液が水槽に流入する危険を伴います)
バードさんからの情報)

レシピは取りあえず、0.5Lのペットボトルに対して白砂糖30〜40g、水400cc位をいれてさらにイースト菌をいれるだけです。
チューブの中に水が入らぬように注意してください。

イースト菌発酵式の炭酸ガス発生装置の特性
以前から気になっていたイースト菌式の炭酸ガス発生装置の持続時間と炭酸ガスの発生量の変化、
そして本当にゼラチンを使用しないとうまく炭酸ガスが発生しないのかの2点です。
炭酸ガスの発生量を毎日決まった時刻に水槽のPHをメーターで測ることによって測定しようというわけです。
PHは照明の点灯する3時間前の朝方測ります。
テストに使ったのは底面吹き上げ式の60cm規格水槽、濾過はフルバル203のみです。
照明は20Wx2、水草はパールグラス、ルドウィジア、リラキナ、ピグミーチェーンサジタリア
などがぎっしり入っています。照明は朝10:30〜夜8:30まで10時間点灯しています。
添加器具はCO2ストーンによる直接添加です。

まずゼラチン無しで白砂糖を約50グラム計って500mLのペットボトルに入れます。
そして水を8分目まで入れます。イースト菌を入れてセットします。
結果をグラフに示します。

次は当サイトのレシピによるゼラチン使用のものです。砂糖は正確に75グラム測りました。
結果を同じくグラフに示します。
yeast-data.jpg
結果を比較してみるとご覧のとおりに、大きな差がでてしまいました。ゼラチンの圧勝というところです。
夏の終わり8月の終わりから9月末までかかって取ったデータです。
途中水槽の水換えはほとんどしていません。
ゼラチンがすべて溶けたのはスタートしてから6日目でした。
平均気温はゼラチンありのほうは27〜28度位くらい、なしの方は29度くらいだと思います。
季節が違うとまた違った結果がでると思います。

ゼラチンなし 2000/8/28〜9/4
ゼラチン有り 2000/9/5〜9/29
結論、ゼラチンを使用すると夏場でも3週間、適当な炭酸ガスの発生ができた。

注意事項
水は入れすぎないように注意してください。
・逆流防止弁はとくに必要ありませんが、発酵中のペットボトルは絶対に倒さない、水槽の水面より低い位置に置くことを守ってください。
・ゼラチン5gは規定量を守りましょう、足りないと固まらず後から足してもダメです。
・使用後のボトルは良く洗いましょう。後で再びゼラチンを作りおいた時に悲劇に見舞われます。
・とくに夏場は作り置きの砂糖ゼラチンは危険なので冷蔵庫に保管が良いかと思います。
・夏場に冷蔵庫で冷やして固めておいた砂糖ゼラチンは安定的に長期間にわたり発酵します。

液化炭酸ガスによる自動添加の方法はこちらをごらんください。


デナリーCO2自動発生システム 「アクアライフ 1994/1月号」より写真引用
イースト菌による醗酵方式はメーカーからも販売されていたようですので紹介しておきます。
CO30a.jpg
ディナリ(DENNERLE)より「CO-30」という糖を使った発酵式の炭酸ガス添加装置が発売されていました。
(株)スドーが輸入販売元になっていました。(現在は販売されているかわかりません)

以下メーカーの説明文です
デナリーCO30は、有機化合物(糖)を分解(発酵)させることによって発生するCO2を、ゆるやかに水中に添加させる新しいシステムです。
約1ヶ月間、合計30万粒もの純粋なCO2気泡が水温に比例して供給され、水草の理想的な生育を促します。
従来のボンベに比べてメンテナンスに優れ、コストも軽減。
ビギナーにも安心してご使用いただけるシステムです。
(50〜100L水槽に対応できます。)


しかし糖の入った交換ボトルが¥2500、一式で¥15000はなんとも高価な気がします。
どれくらいの数が日本で売れたのかわかりません。92年のアクアライフにも広告が載っていました。
ただ私はショップで現品を見かけた記憶がありません。
これを購入した人が発酵の済んだボトルを洗って自分で砂糖ゼラチンを作り再利用したのがこの方式の始まりのように私は考えています。